とろみを付ける古い手法

とろみを付ける古い手法

中世期、それも十六世紀くらいまでの西洋では、ソースにとろみを付ける際、パン粉を用いて行われていました。パン粉の「でんぷん」によってとろみが付いていたのですが、当時としては科学的根拠を理解していなかったことでしょう。もしかしたらパン粉のあの食感が好まれていたのかもしれません。そして十七世紀頃になると小麦粉だけでとろみを付けるようになりました。

 

初期の頃はとにかくシンプルでソースの材料をソテーする時に、最初に小麦粉も入れて一緒にソテーするといった使われ方をしていました。またそこにワインや水を注いで煮詰めれば、ソースにとろみも付きました。このとろみの付け方は、非常に簡単なので家庭でもよく使われているかと思います。例えばクリームシチューやグラタンを作る時、ホワイトソース状に作らなければいけませんよね。具を炒める時に小麦粉を振りかけて一緒に炒め、全体に馴染んだら牛乳を注げば、簡単に出来上がります。

 

ただ、この作り方はムラが出来てしまうのが難点です。粉っぽさが出てしまったり、早めに小麦粉を入れて火にかければ粉っぽさは薄くなるかもしれませんが焦げやすくなってしまいます。クリームシチューには焦げは似合いませんよね。ビーフシチューの場合は野菜とともに小麦粉もとび色になるまで炒めますが、小麦粉の焦げた香りが風味を邪魔してあまり好まれません。(中には、この風味こそが良いという人もいますが…)明治時代の日本に西洋料理が入ってきた頃は、この手法が多く使われていたようです。